自作PCは電源ユニットを自分で選ぶ必要があります。 CPUやGPUは性能がわかりやすい一方で、電源ユニットの適切な容量がどれぐらいかピンとこない方も多いのではないでしょうか? この記事では について解説していきます。 目
自作PCは電源ユニットを自分で選ぶ必要があります。
CPUやGPUは性能がわかりやすい一方で、電源ユニットの適切な容量がどれぐらいかピンとこない方も多いのではないでしょうか?
この記事では
について解説していきます。
目次
電源ユニットとはいうまでもなくPCを動作させるための電力を供給するパーツです。
電源ユニットは「規格」と「サイズ」でいくつかの種類に分かれます。
主な電源ユニットの種類は以下のようになります。
規格名 | 主な用途 | サイズ(W×H×D) |
---|---|---|
ATX | 一般的なデストップPCに採用されている | 156×86×140~180 |
EPS | ハイエンドPCやサーバー用に規格で、ATXよりもサイズが大きい | 150×86×140~180 |
SFX/SFX-L | スリム型やキューブ型などの小さめのパソコン用の電源 | 100~125×50~63.5×100~130 |
ATXは一般的なデストップPCに採用されている規格で、最もメジャーなものです。
フルタワーやミドル、ミニタワーなど多くのケースに入るサイズになっているので、汎用性が高く、種類も豊富なことが特徴です。
価格帯も広く、エントリーグレードから大容量の高額モデルまで自分の用途に合わせて選ぶことができます。
EPSはATXよりもさらに電源供給能力をさらに向上させたものになります。
基本的にはATXとサイズは同値ですが、製品によってはATXよりもサイズが大きくなる傾向にあり、ミドルタワーやミニタワーのケースによっては入らない可能性もあるので、事前にしっかりとチェックしましょう。
とはいえほとんどのPCはATXやSFX規格で電力は足りるのでEPSを積極的に選ぶ機会は稀です。
SFSとSFX-Lはスリム型やキューブ型などの小型のPC用の電源です。
規格の一つとなってはいますが、製品ごとにサイズがマチマチなので、自分のPCに入るかしっかりサイズを測る必要があります。
またSFX-Lはファンを搭載しているため、さらに一回り大きくなっています。
電源ユニットを選ぶ基準は大きく
です。
PCを動作させるには目的に合わせた電源容量が必要です。
電源容量はワット(W)で表され、電源ユニットの総出力ワット数が必要とするワット数を上回るように選びましょう。
具体的には以下の数値を目安にしてみてください。
ワット数 | PCの用途 |
---|---|
500W以下 | オフィス作業・ネット・動画視聴など |
500~800W | ゲーミングPC・動画編集 |
800W以上 | 複数のグラフィックカードを搭載・3DCG作成 |
どれだけの電力が必要かはCPUやGPUなどのパーツによって必要となる電力量が異なるため、適切な容量を選ぶことが必要です。
一般的なゲーム用途における目安としては600W程度の電源ユニットが適していますが、最新のグラフィックボードを搭載する場合は800W程度にしておいた方が無難です。
ただし、必要な容量が多いほど高価になるため、自分が使用するパーツに応じた必要最低限の容量を把握することが大切です。
また電源容量が足りない、またはギリギリだと突然シャットダウンしたり、再起動を繰り返したりするのである程度余裕を持った容量がおすすめです。
自分のPCに必要な電力の目安は以下のサイトで概算を出すことができます。
電源容量計算機:ドスパラHPより
電源ユニットには80PLUS認証という電源の変換効率を表す指標が記載されています。
電源ユニットはコンセントからの電力を100%変換できるわけではなく、熱に変換されることである程度の損失が発生します。
この損失の割合を示したものを「電源変換効率」といい、グレードが上がるほど損失が少なくなります。
80PLUS認証の種類と負荷率は以下の通りです。
負荷率とは最大出力に対するPCの実際の出力のことを指し、例えば1000Wの電源ユニットに対して、PCの要求する電力が500Wとして、グレードがPLATINUMの場合は92%の電源変換効率になることを意味します。
また基本的にどのグレードも50%の負荷率がもっとも効率よくなるように設計されているので、50%の変換効率が一番高くなる点も理解しておきましょう。
つまり【PCに必要な電力の総量】の2倍の最大出力を持つ電源ユニットを選ぶと最も効率がよくなります。
グレード | 負荷率20% | 負荷率50% | 負荷率100% |
---|---|---|---|
STANDARD | 80% | 80% | 80% |
BRONZE | 82% | 85% | 82% |
SILVER | 85% | 88% | 85% |
GOLD | 87% | 90% | 87% |
PLATINUM | 90% | 92% | 89% |
TITANIUM | 92% | 94% | 90% |
このように電源ユニットの性能を示す認証として80PLUS認証は多くの製品に記載されています。
ただし上記の80PLUS認証以外にも近年ではCybeneticsが開発した「ETA認証」を採用する電源ユニットも増えています。
「ETA認証」は80PLUS認証に加えて、力率、5VSB変換効率、待機電力といった評価項目があり、「80PLUS」認証よりも厳格な指標とされています。
またCybeneticsの認証には、静音性に関する「LAMBDA」と呼ばれるものもあります。
とはいえ多くの場合は80PLUS認証を基準にしておけば電力に関して問題となることはありません。
待機電力が0.1Wでも0.25Wでも電気代にはほとんど影響はありません。
グレード選びに迷った場合は80PLUS認証でGOLD以上を選んでおけばよいでしょう。
電源ユニットのケーブルには主に以下の種類があります。
上記以外にも光学ドライブ用のペリフェラル4ピンコネクタなどがありますが、近年では目にする機会は減少しています。
どの電源コネクタが何本付いているかは電源ユニットによって異なります。
自分のPCの構成に必要なものをしっかりと把握してから購入するようにしましょう。
また少し高価になりますが、電源ケーブルが着脱式になっており、必要に応じて接続できる「プラグイン式」と呼ばれるケーブルがセットになっている電源ユニットもあります。
電源を選ぶときの注意点は以下のものがあります。
電源容量は十分にあるに越したことはありませんが、PCの要求電力が250Wなのに1000Wの電源などを選ぶと電源効率は悪くなる可能性があります。
電源ユニットは負荷率が50%の状態が最も効率よく動作するように設計されているので、25%では逆に無駄が多いということになります。
もしPCの要求電力が250Wだった場合は倍の500Wぐらいが適切ということになるので、必要以上に容量の大きい電源ユニットを選ぶのは避けましょう。
ATXやSFXはある程度の規格としてサイズの目安が決まっていますが、必ずしも全てが同一サイズとは限りません。
電源ユニットを買い換えるときに前のモデルは入ったけど、新しく買ったものは入らなかったというこは実際にありえるので、必ず購入前にサイズを測るようにしましょう。
以上、自作PCにおける電源ユニットの選び方を解説してきました。
基本的な考え方としては以下の点を重視しましょう。
これ以外にもケーブルの種類がありますが、実際に自分のPCに使われているマザーボードやグラフィックボード、HDDなどをよく確認して必要なケーブルを選ぶようにしましょう。
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